アサシンクリード ヴァルハラ-ゲイルムンド・サーガ- 感想

読了。

本編であるゲーム「アサシンクリードヴァルハラ」にも登場するヨールとリュビナの間に生まれた双子の弟・ゲイルムンドが主人公の本作。尚、ヨールとリュビナに子供がいる等、ゲイルムンドの存在を示唆する内容はゲーム中では無かった・・・はず。

リュビナはゲーム中でトップレベルで好きなキャラでしたが、本作では事情により息子2人を自分の子供としてではなく、奴隷の子と偽らせて過ごさせるという中々なことしていました。まぁリュビナの心情を考えるとしょうがないと思えたりもしますけどね・・・。

ゲームをプレイしていれば世界観を想像しやすい上に主人公であったエイヴォル(今作では女)、グスルム、ハルフダンといった人物も作中で登場し、時には「こんなんゲームプレイしてる人へのサービスカットだろ笑」と思えるような場面も有り。

エイヴォル「人生にはたくさんの道があるし、たくさんの海路もある。いつかあなたがグスルムへの誓いから解放される日が来たらレイヴンズソープにあなたの居場所がある」

エイヴォルは本作でも良いキャラしてましたね。

個人的に特に良いなと思ったのが、ゲームでのエイヴォルは支えてくれる仲間という存在が不足していたのと比べ、本作でゲイルムンドには頼れる仲間が多かったこと。物語が進み、ゲイルムンドが成長していくにつれて周りにはゲイルムンドを慕う存在が増えていくのが良いなと思いました。

ゲイルムンドはとても主人公らしい魅力的な人物に描かれており、ヴァイキングとしては略奪する対象になる聖職者の言葉も自分とは違う思想だと切り捨てず、理解しようとする聡明さを持ち合わせているところに好感を持てました。

ゲイルムンド「あなたたちの神を受け入れずに、祈りを受け取ることはできるだろうか?」

トヴァ「それは、あなたしだいです。太陽と雨を受け入れずに、大地の小麦を受け取ることができますか?」

このやりとり好き。

人との出会い・別れ・再会や設定の伏線回収を綺麗にまとめた作品に思えました。ゲームのストーリーにもリンクする場面ありますし、ゲームをプレイした方には是非読んでもらいたい1冊。